経歴
サイエンティスト
として
横浜薬科大学 薬学部 准教授
私は2000年に早稲田大学理工学部応用化学科に入学し、学部4年次に常田聡先生の研究室に配属されました。常田先生のご指導のもと、産業技術総合研究所(産総研)の野田尚宏博士のもとで学生研修員として研究をスタートしました。ここで、博士号を持つチームメンバー3人が半年間取り組んでいた課題に挑戦する機会をいただきました。最新の研究論文を読み込み、図や表を記憶し、ある日の公園散歩から帰った時にひらめいた解決法で課題を解決することができました。これが「ABC-PCR法」の開発に繋がりました。この瞬間、私は研究者として歩んでいこうと決意しました。博士課程では1年間の短縮修了で博士号を取得しましたが、集中的な研究生活により十二指腸潰瘍で入院するという経験もしました。
博士号取得後は、東京大学で博士研究員(ポスドク)として秋光信佳先生のもとで研究を続け、ヒト細胞の長鎖ノンコーディングRNAの基礎研究に取り組みました。「BRIC-seq」という新手法を開発し、長鎖ノンコーディングRNAの分解速度測定に成功しました。この成果は国際的に注目され、同時期に他の研究室からも類似の成果が発表されるなど、最先端の研究領域であったことが確認されました。
その後、産総研の研究員、主任研究員としてヒトiPS細胞と長鎖ノンコーディングRNAの研究を進め、化学物質の安全性評価に関する新たな知見を得ることができました。新型コロナウイルスの流行を機に、従来のウェット実験に加えてコンピュータ解析(ドライ研究)のスキルも習得し、研究の幅を広げました。この産総研時代に東京薬科大学の学生の研究指導を担当する機会があり、この経験から「学生の研究指導は非常にやりがいがあり、大学で自分の研究室を持って学生の指導・教育に携わりたい」という思いが生まれました。
40歳を迎えた頃、自分の研究スタイルの変化を感じるようになりました。かつては自ら実験台に立っていましたが、次第に実験補助員の方々の実験結果を見て次の方向性を指示することが多くなっていました。そこで改めて考えたのが、「学生への教育に携わりたい」という思いでした。これまで培ってきたノウハウを学生たちに伝え、次世代の科学者の成長に貢献したいという気持ちが強くなりました。
2023年4月、横浜薬科大学薬学部の准教授として新たな歩みを始めました。現在、マウスやヒトを用いた長鎖ノンコーディングRNAの研究に取り組みながら、分子生物学の実験とコンピュータ解析を組み合わせた手法で生命現象の解明に挑んでいます。研究者としてのキャリアと教育への関心は、相互に補完し合うものだと考えています。研究で培った知識や経験は教育をより充実したものにし、学生との交流は研究者としての視野を広げ、新たな発想を生み出すきっかけにもなります。
今後も研究と教育の両方に取り組み、学生と共に学び、成長していきたいと考えています。大学教員として、次世代の科学者育成に貢献することを重要な役割と捉えています。私の知識と経験が、学生たちの将来に少しでも役立つことができれば、大きな喜びです。
学歴と職歴
どこで
何をしてきたか
受賞
6 件- 6
2018年度日本分析化学会 奨励賞(2018年9月13日)
- 5
第1回E&Eフォーラム ポスター奨励賞(2015年6月25日)
- 4
第21回 E&Eフォーラム 優秀ポスター賞(2014年6月18日)
- 3
RNAフロンティアミーティング2010ベストプレゼンテーション賞(2010年9月27日)
- 2
水野賞(2008年3月25日)
- 1
古賀憲司褒賞(2005年3月25日)
大学のホームページ
- 音楽鑑賞(ロック全般:Beatles、Pink Floyd、King Crimson、Nirvana、Oasis 等、多数)
- 楽器演奏(ギター、キーボード、作詞・作曲)